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千葉よしの 宮城県無形文化財「正藍冷染」花菱の模様 麻着物 【中古】

¥385,000 税込

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故・千葉よしのさんは、奈良時代から伝わる日本最古の草木染である「正藍冷染」を、人間国宝であった母・千葉あやのさんから学んで受け継がれ、そして後継者に伝承していくという、大変な事を99歳(2009年)まで続けられました。
季節によって変わる気温とやりとりをしながら、熱を加えずに発酵した藍と向き合って染めていくのですが、そこには熱を加えたものとはまた違う面白さがあります。
当然、色の濃淡や色むらが生まれますが、それがお着物の形になってお召しいただきますとまったく問題なく、味わいとして現れる事はとても不思議に思えます。

「正藍冷染」は、熱を加えずに藍を自然発酵させて染めるため、基本的に暖かい時期にしか藍染めができません。
染液である藍の温度は自然のままで、その時の気温によって濃くなったり、淡い藍色になったりするそうです。
藍を育て、藍玉を作って乾燥させ、気温が上がり始める5月頃を待って、藍立(あいだて)という染水を作る作業がはじまります。
一般的に藍立は甕で行いますが、千葉さんのところでは大きな木の桶を使われます。
その大きな桶に藍玉を並べて、楢の木の炭の灰汁を入れ、ぬるま湯を加えていきます。
綺麗な藍の花が咲き始めたら、染めをはじめられますが、すべて自然まかせ、お天気次第、気温次第で、できあがる色は様々になるそうです。
そういったやりとりも、先代である人間国宝であった千葉あやのさんから伝授されたもので、長年の努力と探求心から完成したものなのでしょう。

こちらは、花のような形の大小の菱模様の型で色止めをして藍染めされた、手仕事の味わいがひしひしと伝わってくるような、素晴らしい麻のお着物です。
小さなお花が並んで咲いているような可憐さと、藍染ならではの凛々しさのようなものが相まって、工芸的な魅力を放っています。
こちらの麻の生地は、非常に細い苧麻の糸で織られているようで、おそらく越後上布を使って染められたものと思われます。
千葉さんの作品は、あやのさんのものも含め何度か扱わせていただきましたが、反物の長さなどにあまり頓着がおありではないようで、現代の寸法に届かないものもありました。
こちらもおそらく、お求めになった方が比較的大きいサイズにされたかったのか、衿先の生地が不足したようで、反物のぎりぎりの重要無形文化財の文字の部分まで使って、継ぎを入れたお仕立てをされています。(最後のお写真をご参照ください)
そういったところにも、希少性の高い貴重な作品に対して大切にされる愛情のようなものが感じられます。

別でご紹介しております、城間栄順さんの八重山上布の作品と同様に、越後上布に千葉よしのさんの手による染めが実現するのは、やはり夏のお着物ならではの夢のような楽しい事だと思います。
しなやかな手触りと、正藍冷染ならではの透明感のある藍の色がとても魅力的な、大変おすすめの夏の逸品です。

衿裏には絹の絽が使われ、居敷当はついていません。

青藍「和色大辞典 #3c5678」https://www.colordic.org/colorsample/3c5678
をご参照下さい。


◆サイズ
身丈:161.5 cm /4 尺 2 寸 7 分
裄丈:69 cm /1 尺 8 寸 3 分
袖丈:49.5 cm /1 尺 3 寸 1 分
前巾:23.6 cm /6 寸 2 分
後巾:31.2 cm /8 寸 3 分
衽巾:15.2 cm /4 寸 0 分
褄下:72.2 cm /1 尺 9 寸 1 分
袖巾:35.2 cm /9 寸 3 分

◆詳細
状態:リサイクル品
付属品:なし

◆商品コード:2020000018872

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